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愛用PCの故障で、どん底の気分に陥っていたミツイですが
見てくださっている方々のブログ・web拍手や投票などに
かなり励まされました。
どうも、ありがとうございます☆

予告通りSSの続きを上げさせていただきます。
ついに奴の暴走が始まります。

当初の予定より大分長くなってしまったSSですが
(もはやショートではない…)
本物の夏の祭典までには書き終えたいと思っている次第です。
色々な方々に謝って回りたいほど、
妄想と偏見のみで構築されたくだらない駄文ですが
付き合ってくださる方はread moreよりお願いします。
ヲタ王子in夏の祭典 その6

「えっ、じゃあ土板橋くんのお姉さんがユリコミックスさん!?」

九条平さんがぐっと身を乗り出してきた。

ユリコミックスさん、とはいわゆる百合子さんのペンネームらしい。
言っちゃあ悪いが珍妙である。
客足は中々途絶えないものの、ようやく会話が出来る余裕が生まれた。

「土板橋くんってやっぱりスゴいね…。お兄さんも声優さんだし、ユリコミさん
も同人界ではすごく有名なんだよ。いいなぁ。」

ユリコミックス、略してユリコミさん、か。

スゴいというのは何ですか、奴がオタク業界のサラブレッドということですか。
ここまできたら土板橋さん宅のご両親の職業も気になるところだ。

私、ユリコミさんの大ファンなの、会ってみたいなぁ…と
夢見る乙女モードでうっとりする九条平さんに、
百合子さんが土板橋とそっくりであることを伝えると

「じゃあ、絶対にすごく美人だね、ますます会ってみたくなっちゃう!」

ますます大きな瞳を輝かせた。
そんなこんなで束の間とは知りつつも俺は九条平さんと
夏の楽しいひと時をすごしていた訳だが、

「ね、見てあの人たちなんか不思議な取り合わせ…。」

「本当、真ん中の人だけ超美形なんですけど。」

道行く人のひそひそ話が耳に入り、俺は不穏な空気を察知した。
鬼太郎の妖気センサーじゃないが、俺の勘が確固たる自信を持って告げている。

…来る。
…奴が来る。

まもなく、人込みが自然に分かれて道が出来上がり
灰色の軍団を引き連れた極彩色の男が華麗に登場した。
無駄に美男フェロモンを振りまく圧倒的な存在感は見紛うはずもない、
土板橋恭介である。

両手にはアニメ絵の『美少女』が描かれた大きな紙袋を2つずつ抱えている。
あの中には俺が知る由もない、奴が日頃口癖のように繰り返す『萌え』とやらが
つまっているのだろうか。

「今回は悪かったな、本来は俺も徹夜組に参加するべきだったんだが…」

すまない、と謝罪の言葉を述べる土板橋に、
灰色軍団の筆頭、額に赤バンダナを巻いた小太りの男が汗って…
いや、焦って言葉を返した。

「いえいえ、何をおっしゃるドイタンヌ氏!拙者、先のイベントでは大変お世話
になりますた故、当然のことを…ry」

ドイタンヌ…とは土板橋のことを指す、
おそらくH.N(ハンドルネーム)というやつに違いない。
しかし、姉弟揃ってなんともエキセントリックなネーミングセンスである。

その名を聞いて急に周りの買い物客やブースの売り子までもが騒然となった。

「ドイタンヌさん…ってまさかあの…?」

「2ちゃんCLANNAD嫁論争で旋風を巻き起こしたという…。」

「え、ニコ動のあらゆる職人の祖と言われるドイタンヌさんだろ!?」

「ドイタンヌ、といえばラグナロクオンラインの"スネオ"の神でしょう、パーテ
ィに引く手数多の…」

「いやいや、それを言うならこの間のマジアカ全国大会のキングリーグ歴史的大勝…」

『ドイタンヌ』、それはどうやら、その道(?)では広く名の知れた存在らしい…が、
おい、土板橋…お前は15年間の人生で一体いくつの伝説を作り上げてきたというんだ。
末恐ろしい限りである。

「しかし、今年の夏の陣、腐女子がギガント増え過ぎだと思いませぬか、腐女子
自重!!」

赤バンダナの後ろに控える、
この暑いのに黒皮指なし手袋のひょろ長い男が口を挟んだ。
ファッションセンスといい言葉遣いといい、
まったく時代考証から逸脱した集団だな。

「馬鹿者っ!!」

突然、土板橋が大声を張り上げた。
ひぃっとすくみ上がる灰色軍団。

「いくら注目されつつあるといえ、オタクはまだまだ世間の日陰者…
地位向上の為に今や腐女子の存在は必要不可欠!
むしろ感謝して然るべきだ。
俺達オタクが腐女子を守ってやらずにどうする。
彼女達を排除しようとする輩は俺が許さん!
ジャンルは違えど同じ『萌え』を心の糧と
するもの同士…
男オタ、腐女子が手を取り合いこれからも
業界を盛り上げていこうではないか!!」

堂々たる大口上に、まさかのスタンディングオベーション。
割れんばかりの拍手と共に、涙ぐむ人続出。

「さすがはドイタンヌさん…すばらしい…。」

「感動しました!」

「私、腐女子を卒業しても立派な貴腐人になります。」

口々に賛辞を述べる人々。
会場は一気に涙雨に包まれた。

「皆の衆、ドイタンヌ氏に敬礼だ!!」

赤バンダナの号令で、その場にたまたま居合わせた人々までもが
息の合った見事な敬礼をみせる。

そして『ドイタンヌ伝説』にはまた新たな1ページが刻まれた。

ただ唖然。
終始俺の口は開きっぱなしである。
ありえん、劇団四季か、ここは。

「やっぱり土板橋くんってスゴいね。」

九条平さんまでもが少し涙目で、それでもにっこり俺に笑いかけてきた。
そうだね、と相槌は打ってみるものの、
俺は願わくば、あの男の友人であることが周囲にばれませんようにと
心の中で十字を切った。


その7へ続く→


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